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業務フローで見るロボット化 / 物流・倉庫

EC物流センター入荷〜出荷ライン

ソーターや自動倉庫が入っていても、荷降ろし・デパレタイズ・棚入れ・ピッキング・供包・荷積み・返品には人が残っています。既存の棚やコンベヤはそのままに、AMR・ロボットアーム・ヒューマノイドを人の作業位置へ追加できる点が大きなメリットです。

7工程・21作業をロボットに置き換えられます。

EC物流センターの入荷〜出荷ラインの工程(荷降ろし・デパレタイズ・入荷検品・棚搬送・ピッキング・梱包・仕分け・積み付けと荷積み)とロボットのイラスト

工程の流れ

工程を押すと、その工程の作業へ移動します。

  1. 1荷降ろし4作業
  2. 2デパレタイズ2作業
  3. 3検品
  4. 4入庫・保管3作業
  5. 5ピッキング5作業
  6. 6梱包
  7. 7仕分け3作業
  8. 8荷積み3作業
  9. 9返品1作業
ロボット化できる作業がある専用設備が担う人が担う

工程の出典:STOCKCREW「EC物流の基礎知識」(6 工程) / LNEWS 佐川グローバルロジスティクス EC Logi Tokyo(2019-05) / マイナビ 佐川グローバルロジスティクス EC Logi Tokyo 取材(2024-10)

工程ごとの置き換え作業

人が今やっている作業のうち、ロボットが担っている実例があるものを工程ごとに挙げました。右のリンクから候補機種と導入実績へ進めます。

  1. 入荷:トラック・コンテナの荷降ろし

    バラ積み(床積み)のケースを荷台の奥から 1 つずつ下ろしてコンベヤへ流す。パレット積みはフォークリフトで降ろす。

    ロボット化
  2. デパレタイズ・ケース投入

    入荷パレットからケースを 1 つずつ持ち上げ、入庫コンベヤや自動倉庫へ投入する。混載パレットは品種ごとに仕分けながら降ろす。

    ロボット化
    • 国内導入済みロボットアームパレット上のケースを持ち上げてコンベヤへ投入する(混載・事前登録なし)

      アスクル ASKUL Logi PARK 横浜(2021-07)Mujin デパレタイズロボット 1 台。従来は人手で 1 日平均約 6,000 箱を投入。協和紙工 第 2 ロジスティクスセンター(愛媛、2023-03)はデパレタイザー 2 台で 1,000 ケース/時超、出荷能力最大 70% 向上。

      出典:ビジネス+IT (2021-07-14) / LOGISTICS TODAY (2023-03-16)

    • 国内導入済みロボットアーム自律走行搬送ロボットデパレタイズ・パレタイズと AGV による品種別の自動補充を倉庫管理と連動させる

      日本運輸 太田インター営業所(群馬、2026-03 発表)。Mujin の「MujinOS」上でデパレタイズ・パレタイズロボットと AGV の品種別自動補充を統合制御。対象 97 品種の部品供給倉庫(近接事例:完成車メーカー向け)。

      出典:LOGISTICS TODAY (2026-03-04)

  3. 入荷検品・登録

    外装の破損・数量を確認し、WMS に入荷登録する。中身検品や寸法・重量の計測は商材ごとに要否が変わる。

    人が担う

    数量照合と破損判断は人と WMS 端末が担う。寸法・重量の自動計測は設備(計測器)の領域で、ロボット化の公開事例は未確認。

  4. 入庫・保管(棚入れ)

    商品を保管棚やビンへ格納する。棚搬送型・自動倉庫型では棚やトートが作業者のもとへ来る。

    ロボット化
  5. ピッキング

    受注ごとに商品を棚・ビンから集める。歩行して集める方式と、棚やトートが来る方式がある。ケース単位は自動倉庫から取り出して箱詰めする。

    ロボット化
    • 国内導入済み自律走行搬送ロボット作業者に付き添う協働ピッキング AMR で歩行と探索をなくし、出荷工程の生産性を上げる

      日本通運 NX 小牧流通センター(2025-10 発表)Rapyuta「PA-AMR」。稼働 3 か月で出荷工程の生産性約 2.5 倍(42.9→110.8 件/時)。日通 品川支店(ダイキン部品、2020-08)は AMR 10 台。STOCKCREW Sugito Dock(埼玉、2022-06)はシリウスジャパン FlexComet 6 台+FlexSwift 4 台をサブスクで導入。

      出典:LNEWS (2025-10-01) / LNEWS (2020-08-26) / ECのミカタ (2022-06)

    • 国内導入済み自律走行搬送ロボット3 次元棚をロボットが走ってビンを取り出し、作業者のステーションへ届ける(高密度保管の貨到人)

      ヨドバシカメラ × Exotec「Skypod」(2022-12 発表、複数倉庫に設置・運用)。Exotec は 2019 年にファーストリテイリングとも提携。日本で 1,000 台以上稼働(2022-12 時点)。

      出典:MONOist (2022-12-08)

    • 国内導入済みロボットアームロボットハンド日用品のピースピッキング(吸着+指のグリッパで事前登録なし)

      PALTAC RDC 埼玉(杉戸町、2019 年末稼働)RightHand Robotics「RightPick」を国内初導入、複数台を配備。台数・効果の公表値は無し。

      出典:LOGISTICS TODAY (2019-03-19) / RightHand Robotics 事例

    • 国内導入済みロボットアームパレット自動倉庫から出たケースを必要数だけピッキングする(寸法・重量を自動計測、マスターレス)

      PALTAC RDC 埼玉(2024-07)オークラ輸送機「AI ケースピッキングロボット」8 台。多品種ケースを 99.9% 以上で認識、計測・登録作業が不要になり人的ミスゼロ。

      出典:LOGISTICS TODAY (2024-07-08)

    • 海外実績ありヒューマノイドAMR が運んできたトートをコンベヤへ移載する(ヒューマノイド)

      GXO Logistics の SPANX 向けフルフィルメントセンター(米国、2024-06)Agility Robotics「Digit」を複数年 RaaS 契約で導入。協働ロボット・AMR からトートを受け取りコンベヤへ。台数非公開。

      出典:DC Velocity (2024-06-28)

  6. 梱包・送り状貼付

    商品を箱に入れ、緩衝材・納品書を入れて封緘し、送り状を貼る。EC は多品種小ロットで梱包がボトルネックになりやすい。

    専用設備

    自動梱包機が担う。佐川グローバルロジスティクス EC Logi Tokyo の「Carton Wrap」は商品サイズを計測して段ボールを裁断・封緘・送り状貼付まで自動、800 ケース/時(2020-04 稼働)。箱詰め自体のロボット化事例は未確認。

  7. 仕分け・供包

    出荷先・配送方面ごとに荷物を仕分ける。ソーターへの投入(供包)、ラベルを読める向きにそろえる作業、ソーターに乗らない大型・不定形荷物の運搬に人が残る。

    ロボット化
    • 国内導入済み自律走行搬送ロボット方面別仕分けを小型ソーティングロボットで行い、省スペースでレイアウトを変えられるようにする

      佐川グローバルロジスティクス 東松山 SRC(埼玉、2021-08)プラスオートメーション「t-Sort」35 台・400 方面。出荷処理能力 +32%、人員 −27%、返品処理能力 +343%、教育時間 −70%。

      出典:ECのミカタ (2021-08-05)

    • 国内導入済み自律走行搬送ロボット自動仕分け機に乗らない大型・不定形荷物を、台車の代わりに AMR で仕分け先へ運ぶ

      佐川急便 X フロンティア中継センター(東京都江東区、2022-12)プラスオートメーション「JUC-S800R」12 台(1 階、最大 800kg)と LexxPluss「Hybrid-AMR」12 台(3 階)。自動仕分け機で処理できるのは荷物の 9 割で、残りを自動化。

      出典:LNEWS (2022-12-12)

    • PoC・実証段階ヒューマノイド荷物をつかんで伝票面を上に向け、コンベヤ・ソーターへ 1 個ずつ投入する(ヒューマノイド供包)

      星動紀元(Robotera)× 中国郵政 深セン龍崗の物流拠点(2025-11 入場、2026-05 PoC 完了)。初期 100 個/時 → 2026-05 末 1,200 個/時で人の約 90%。順豊とは 2026-01 に提携。Figure AI は Figure 02 で動くコンベヤ間の荷物移載とラベル向き合わせを公開(2025-02、顧客名非公開)。

      出典:36Kr (2026-06-03) / Automated Warehouse (2025-02-28)

  8. 出荷:積み付け・荷積み

    出荷ケースをパレット・かご車に積み付け、トラックへ積み込む。混載の積み付け位置決めと荷台内での積み込みに人が残る。

    ロボット化
    • 国内導入済みロボットアーム出荷ケースをパレット・かご車・カートラックへ積み付ける(形状・重量から積み位置を自動計算)

      PALTAC RDC 埼玉(2019-11 稼働)Mujin の AI ケース積み付けロボット複数台。アズワン スマート DC(プロロジスパーク千葉 1、2020-07)Mujin ケースパレタイズ 2 台・オリコンパレタイズ 1 台・デパレタイズ 1 台、自動化率約 70%。

      出典:LNEWS (2019-06-14) / LOGISTICS TODAY (2020-07-30)

    • 国内導入済み自律走行搬送ロボットパレットをトラックへ積み込む(無人フォークリフトが停車位置ずれにも対応)

      花王 豊橋工場 次世代倉庫(2024-07 実用化、2024-10 本格稼働)豊田自動織機の自動運転フォークリフト。3D-LiDAR でトラック位置を検出、実際の出荷・輸送を伴う実用化は日本初(豊田自動織機調べ)。近接事例(メーカー倉庫)。

      出典:MONOist (2024-09-03)

    • PoC・実証段階ロボットアーム自律走行搬送ロボット荷台内でケースを積み付ける荷積み(バンニング)ロボット

      佐川急便 × Dexterity × 住友商事(2023-12 発表)。佐川の荷積み現場に合わせた AI 荷積みロボットを開発・実証、国内初の試み。川崎重工 × Dexterity「Mech」(2025-05)は自走台車に 8 軸アーム 2 本(可搬 30kg)、国際物流企業で実証中。

      出典:ベストカー フルロード (2023-12-20) / LOGISTICS TODAY (2025-05-08)

  9. 返品処理

    返送された商品を開梱し、状態を見て再販・廃棄・セールに振り分け、再梱包して在庫へ戻す。梱包も状態もばらばらで、作業が標準化しにくい。

    ロボット化
    • 海外実績ありロボットアーム返品されたアパレル商品の把持・識別・仕分け(未学習の品目にも対応する双腕ロボット)

      CEVA Logistics × Sereact、Zalando 向け FC(ドイツ Greven・ポーランド Świebodzin、2026-10 発表)。双腕ロボットが返品商品を把持・識別・仕分け、品目ごとの事前学習不要。RaaS。台数・効果の数値は非公開。

      出典:Robotics 24/7 (2026-10-08)

一覧

工程ロボット化できる作業段階ロボット種別用途ページ
1. 入荷:トラック・コンテナの荷降ろしトレーラー・海上コンテナからの混載ケースの荷降ろしとコンベヤ投入海外実績ありロボットアーム自律走行搬送ロボットトラック荷役
1. 入荷:トラック・コンテナの荷降ろし輸入コンテナ・床積みトレーラーの荷降ろし(物理 AI 型)海外実績ありロボットアームトラック荷役
1. 入荷:トラック・コンテナの荷降ろし既設の伸縮コンベヤに接続する荷降ろしロボット(最大 22kg ケース・1,000 ケース/時)製品あり(導入事例未確認)ロボットアームトラック荷役
1. 入荷:トラック・コンテナの荷降ろしパレット積みトラックからの荷降ろしを無人フォークリフトで行う国内導入済み自律走行搬送ロボット倉庫内搬送
2. デパレタイズ・ケース投入パレット上のケースを持ち上げてコンベヤへ投入する(混載・事前登録なし)国内導入済みロボットアーム梱包・パレタイズ
2. デパレタイズ・ケース投入デパレタイズ・パレタイズと AGV による品種別の自動補充を倉庫管理と連動させる国内導入済みロボットアーム自律走行搬送ロボット梱包・パレタイズ
4. 入庫・保管(棚入れ)可搬棚を作業者のステーションまで運び、棚入れ・ピッキングの歩行をなくす(棚搬送 AMR)国内導入済み自律走行搬送ロボット倉庫内搬送
4. 入庫・保管(棚入れ)大型商品(最大 100×100×200cm)を含む通販拠点の入庫・保管・ピッキングを棚搬送ロボット化する国内導入済み自律走行搬送ロボット倉庫内搬送
4. 入庫・保管(棚入れ)保管ポッドの上段へ商品を押し込んで棚入れし、同じ段から取り出す(触覚付きアーム)海外実績ありロボットアームピッキング
5. ピッキング作業者に付き添う協働ピッキング AMR で歩行と探索をなくし、出荷工程の生産性を上げる国内導入済み自律走行搬送ロボットピッキング
5. ピッキング3 次元棚をロボットが走ってビンを取り出し、作業者のステーションへ届ける(高密度保管の貨到人)国内導入済み自律走行搬送ロボットピッキング
5. ピッキング日用品のピースピッキング(吸着+指のグリッパで事前登録なし)国内導入済みロボットアームロボットハンドピッキング
5. ピッキングパレット自動倉庫から出たケースを必要数だけピッキングする(寸法・重量を自動計測、マスターレス)国内導入済みロボットアームピッキング
5. ピッキングAMR が運んできたトートをコンベヤへ移載する(ヒューマノイド)海外実績ありヒューマノイド倉庫内搬送
7. 仕分け・供包方面別仕分けを小型ソーティングロボットで行い、省スペースでレイアウトを変えられるようにする国内導入済み自律走行搬送ロボット仕分け・供包
7. 仕分け・供包自動仕分け機に乗らない大型・不定形荷物を、台車の代わりに AMR で仕分け先へ運ぶ国内導入済み自律走行搬送ロボット倉庫内搬送
7. 仕分け・供包荷物をつかんで伝票面を上に向け、コンベヤ・ソーターへ 1 個ずつ投入する(ヒューマノイド供包)PoC・実証段階ヒューマノイド仕分け・供包
8. 出荷:積み付け・荷積み出荷ケースをパレット・かご車・カートラックへ積み付ける(形状・重量から積み位置を自動計算)国内導入済みロボットアーム梱包・パレタイズ
8. 出荷:積み付け・荷積みパレットをトラックへ積み込む(無人フォークリフトが停車位置ずれにも対応)国内導入済み自律走行搬送ロボット倉庫内搬送
8. 出荷:積み付け・荷積み荷台内でケースを積み付ける荷積み(バンニング)ロボットPoC・実証段階ロボットアーム自律走行搬送ロボットトラック荷役
9. 返品処理返品されたアパレル商品の把持・識別・仕分け(未学習の品目にも対応する双腕ロボット)海外実績ありロボットアーム仕分け・供包

導入前の確認点

  • 荷姿の比率:床積み(バラ積み)かパレット積みかで、荷降ろし・荷積みに使うロボットが変わる。ケースの重量上限(Stretch・TruckBot は約 22kg)と荷台奥行きを確認する。
  • ドック設備:伸縮コンベヤの有無、ウイング車かバン車か、トラック停車位置のずれ。無人フォークは位置検出で補正するが、既設ドックの条件を先に揃える。
  • 商品マスターの要否:デパレタイズ・ケースピッキングはマスターレス(寸法・配置を自動認識)の製品がある。ピースピッキングは SKU 数と対応可能な品目比率(Vulcan は約 75%)を確認する。
  • WMS / WES 連携と段階導入:棚搬送 AMR は 56 台から 216 台へ増設した例があり、サブスク(RaaS)で始めた例もある。繁忙期の台数増と WMS 改修範囲を決めておく。
  • ソーターに乗らない荷物の扱い:自動仕分け機で処理できるのは荷物の約 9 割。大型・不定形・軟包装の残りを AMR 搬送やヒューマノイド供包で埋める前提で、処理量の目標と人との速度差を測る。
  • ヒューマノイド・物理 AI は PoC から:供包・荷積みは実証段階で、人の 90% 程度の速度に達するまで数か月かかった例がある。評価期間と KPI(個/時、介入回数)を決めて始める。

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