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業務フローで見るロボット化 / 建設業

中高層ビル建築現場

鉄骨の建方・本締めとカーテンウォールの取付はクレーンと職人の仕事のまま残りますが、墨出し・溶接・鉄筋結束・耐火被覆・資材搬送・天井ボード・巡回・清掃は、大手ゼネコンの現場でロボットが担い始めています。階段や工事用エレベーターなど人のために作られた現場を、四足歩行ロボットやヒューマノイドがそのまま移動できる点が大きなメリットです。

8工程・19作業をロボットに置き換えられます。

中高層ビルの建築現場の工程(墨出し・鉄骨建方・現場溶接・鉄筋結束とコンクリート仕上げ・耐火被覆・資材搬送・内装・巡回点検・清掃)とロボットのイラスト

工程の流れ

工程を押すと、その工程の作業へ移動します。

  1. 1墨出し2作業
  2. 2鉄骨建方
  3. 3現場溶接2作業
  4. 4躯体2作業
  5. 5耐火被覆1作業
  6. 6揚重・搬送3作業
  7. 7内装5作業
  8. 8検査・進捗3作業
  9. 9清掃1作業
ロボット化できる作業がある専用設備が担う人が担う

工程の出典:キャリアマップ「建築工事の流れ」(準備・仮設→基礎→躯体→外装→内装→表層→外構) / freee「躯体工事とは」(墨出し→鉄筋→型枠→配管→打設→養生→脱型) / 福岡市 中間検査・完了検査の流れ(鉄骨建方完了時→耐火被覆・内装・外装) / ビジネス+IT 清水建設 Shimz Smart Site(揚重・搬送/天井・床/柱溶接の省人化試算)

工程ごとの置き換え作業

人が今やっている作業のうち、ロボットが担っている実例があるものを工程ごとに挙げました。右のリンクから候補機種と導入実績へ進めます。

  1. 測量・墨出し

    トータルステーションで基準点を出し、図面の壁・設備位置を床にチョークやインクで描く。階ごと・工種ごとに繰り返す。

    ロボット化
  2. 鉄骨建方・本締め

    タワークレーンで柱・梁を揚重し、鳶が高所で建て込み、高力ボルトを本締めする。建方完了時に中間検査を受ける。

    人が担う

    クレーン揚重と鳶の高所作業。ロボット化の公開事例は未確認(建方完了後の柱溶接は工程 3)。

  3. 鉄骨の現場溶接

    建方した柱の継手・梁フランジを溶接工が多層盛りで溶接し、層ごとにスラグを落とす。大型柱は 1 本に複数日かかる。

    ロボット化
  4. 鉄筋・型枠・コンクリート(床スラブ)

    デッキプレート上に鉄筋を配筋して交点を結束し、コンクリートを打設してトロウェルで床を押さえる。中腰・屈み姿勢の作業が続く。

    ロボット化
  5. 耐火被覆の吹付け

    鉄骨梁にロックウールを半乾式で吹き付ける。粉じんが舞い、防護服で 3 人 1 組・1 日 100m² 程度の苦渋作業。

    ロボット化
  6. 資材の揚重・搬送

    ボード・パレット資材を工事用エレベーターで施工階へ上げ、人が台車で所定の位置まで水平に運ぶ。夜間に翌日分を配置することが多い。

    ロボット化
  7. 外装・内装仕上げ

    外装はカーテンウォールをクレーンで取り付ける。内装は天井下地に穴を開けて吊りボルトを立て、天井ボード・壁ボードを貼り、パテ・塗装・床仕上げへ進む。

    ロボット化
  8. 検査・進捗管理

    現場監督が毎日巡回して記録写真を撮り、出来形・資機材の配置・安全を確認する。設備の風量測定など計測を伴う検査もある。

    ロボット化
  9. 清掃・片付け

    作業の合間や終業後に、各階の釘・粉じん・ボード片を掃き集める。工程ごとにゴミの種類と大きさが変わる。

    ロボット化

一覧

工程ロボット化できる作業段階ロボット種別用途ページ
1. 測量・墨出しCAD/BIM の図面を自走ロボットが床に直接印字する(壁・設備・OA フロアの位置出し)国内導入済みフィールドロボット測量・墨出し
1. 測量・墨出しOA フロア支持脚など 1 点ごとの位置出しを自走ロボットで行うPoC・実証段階フィールドロボット測量・墨出し
3. 鉄骨の現場溶接鉄骨柱の継手を全周自動溶接する(開先計測・スラグ除去を含む)国内導入済みロボットアーム施工・組立
3. 鉄骨の現場溶接梁のフランジ・ウェブを含む柱梁接合部の現場溶接をロボット化する国内導入済みロボットアーム施工・組立
4. 鉄筋・型枠・コンクリート(床スラブ)床スラブの鉄筋交点の結束を自走ロボットが行う国内導入済みフィールドロボット施工・組立
4. 鉄筋・型枠・コンクリート(床スラブ)打設したコンクリート床の金ゴテ仕上げを自走ロボットで行う国内導入済みフィールドロボット施工・組立
5. 耐火被覆の吹付け梁の全断面にロックウールを自動で吹き付ける(移動台車+多軸アーム)国内導入済みロボットアーム施工・組立
6. 資材の揚重・搬送施工階でのパレット資材の水平搬送と、工事用エレベーターへの夜間仮置き国内導入済み自律走行搬送ロボット資材搬送・揚重
6. 資材の揚重・搬送工事用エレベーターから資機材を自動で荷下ろしし、BIM 地図で所定位置へ自律走行するPoC・実証段階自律走行搬送ロボット資材搬送・揚重
6. 資材の揚重・搬送資機材の搬送と現場内の移動・巡回をヒューマノイドで担うPoC・実証段階ヒューマノイド資材搬送・揚重
7. 外装・内装仕上げシステム天井のボードを持ち上げて位置合わせし、取り付ける国内導入済みロボットアーム施工・組立
7. 外装・内装仕上げBIM に基づく天井の設備アンカー穴の穿孔とマーキング製品あり(導入事例未確認)ロボットアーム施工・組立
7. 外装・内装仕上げ石こうボードのパテ処理・サンディング・塗装を自律ロボットで行う海外実績ありロボットアーム施工・組立
7. 外装・内装仕上げ作業者の動作を模倣学習したロボットアームで内装塗装を行うPoC・実証段階ロボットアーム施工・組立
7. 外装・内装仕上げ石こうボードを持ち上げて壁に当て、ビス留めする(ヒューマノイド)PoC・実証段階ヒューマノイド施工・組立
8. 検査・進捗管理四脚ロボットが階段を含む決まったルートを自動巡回し、進捗・資機材の 360 度写真を撮る国内導入済み四足歩行ロボット測量・墨出し
8. 検査・進捗管理ヒューマノイドがカメラを持って現場を巡回するPoC・実証段階ヒューマノイド測量・墨出し
8. 検査・進捗管理空調吹出口の風量測定を自律走行ロボットが行い、帳票を作るPoC・実証段階フィールドロボット測量・墨出し
9. 清掃・片付け施工階の床を自律走行で清掃する(釘・粉じん・ボード片)国内導入済み清掃ロボット清掃・衛生管理

導入前の確認点

  • 工事用エレベーターとの連携:施工階へ上げる搬送は、エレベーター制御・搬送予約システムとロボットの接続が前提(竹中×鹿島の RPF/JHS アプリ)。
  • 自己位置の取り方:墨出し・穿孔はロボティックトータルステーション(Leica / Trimble / Topcon の対応機種)、搬送・巡回は BIM から作った地図と LiDAR。既設の測量機・BIM の有無を確認する。
  • 日々変わる現場環境:間仕切りや資材で前日のルートが変わる。地図に無い障害物で停止する設計か、自動巡回が継続できるかを実証で確認する。
  • 機材の重量と持ち運び:溶接ロボットのレールは 1 ピース約 10kg、床仕上げロボは約 90kg、清掃ロボは 4 分割で人が運べる仕様。エレベーターのない階や盛替えの手間を見込む。
  • 人のいない時間帯での運用:搬送・溶接は夜間・昼休みに動かすと効果が出る。安全柵・インターロック・養生(鹿島のユニット養生)と、無人運転時の管理者を決める。
  • 工種ごとの専用機:溶接・鉄筋結束・耐火被覆・天井ボードは工種別の専用機で、汎用機として選べる製品はまだ無い。ゼネコン開発機はレンタル窓口(アクティオ等)や建設 RX コンソーシアムの分科会経由で入手する。

自社の工程で、どこから置き換えるか相談する

工程表を持ち込んでいただければ、置き換えやすい作業と候補機種、PoC の進め方を一緒に整理します。

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